医療保険に入ろうとして最初に迷うのが「入院日額いくらにする?」という問題ではないでしょうか。5,000円か10,000円かで保険料がかなり変わってくるので、ここは慎重に決めたいところです。
結論から言うと、「万人に正解の金額」はありません。あなたの年収・貯蓄額・家族構成・加入している公的保険によって最適な日額は変わります。
この記事では、日額5,000円と10,000円それぞれが適しているケースを具体的に解説し、さらに「折衷案」もご紹介します。自分にとってベストな選択ができるよう、判断基準を整理していきましょう。

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そもそも入院したらいくらかかるの?
まずは実際の入院費用を知っておきましょう。生命保険文化センターの調査によると、入院時の自己負担費用(高額療養費制度適用後)の平均は約20万円です。入院日数の平均は約15日。
「え、意外と安い?」と思った方もいるかもしれません。日本には高額療養費制度があるので、医療費の自己負担には月あたりの上限があります。一般的な所得の方なら、1ヶ月の医療費の自己負担上限は約8万円〜9万円程度です。
ただし、以下の費用は高額療養費制度に含まれません。
差額ベッド代:個室や少人数部屋を希望すると、1日あたり数千円〜数万円かかります。平均は約6,000円/日です。
食事代:入院中の食事代は1食460円の自己負担。1日3食で1,380円です。
日用品・雑費:パジャマ、タオル、テレビカードなどの細かい出費も意外とバカになりません。
収入の減少:入院中は仕事を休むことになるので、会社員なら傷病手当金(給料の約2/3)が出ますが、自営業者にはこの制度がありません。
日額5,000円で足りるケース
会社員・公務員の方
健康保険の高額療養費制度に加えて、傷病手当金(給料の約2/3)が最長1年半受け取れます。収入がゼロにはならないので、日額5,000円でも十分にカバーできるケースが多いです。
貯蓄が十分にある方
預貯金が100万円以上あれば、入院時の自己負担は貯蓄でカバーできます。保険はあくまで「足りない分の補填」と考えれば、日額5,000円で十分です。
独身の方
扶養家族がいない場合、入院中に家族の生活費を心配する必要がありません。自分の治療費と生活費だけをカバーできればいいので、日額5,000円で足りるケースが多いです。
保険料を抑えたい方
30歳男性の場合、日額5,000円と10,000円では月額保険料に1,000円〜2,000円程度の差が出ます。年間で1.2万〜2.4万円の差です。この差額を貯蓄や投資に回した方が合理的、という考え方もあります。
日額10,000円にすべきケース
自営業・フリーランスの方
傷病手当金が出ないので、入院中は収入がゼロになるリスクがあります。日額10,000円で少しでも収入減をカバーするのが安心です。国民健康保険の方は、高額療養費の上限額も会社員より高くなるケースがあるので要注意です。
個室に入りたい方
差額ベッド代は高額療養費の対象外です。個室を希望する場合は1日6,000円〜1万円以上かかるので、日額5,000円だと差額ベッド代だけで使い切ってしまいます。
貯蓄が少ない方
預貯金が50万円以下の場合、突発的な入院で家計がピンチになるリスクがあります。日額10,000円で手厚くカバーしておいた方が安心です。
扶養家族がいる方
配偶者や子どもがいると、入院中も家族の生活費が必要です。加えて、お見舞いの交通費や子どもの預け先の費用など、想定外の出費が発生しがちです。

保険料の差額シミュレーション
日額5,000円と10,000円、実際にどれくらい保険料が違うのか、ざっくりの目安をご紹介します(終身医療保険・終身払い・先進医療特約付きの場合)。
30歳男性:日額5,000円→月額約1,500円 / 日額10,000円→月額約2,800円(差額約1,300円/月)
30歳女性:日額5,000円→月額約1,800円 / 日額10,000円→月額約3,300円(差額約1,500円/月)
40歳男性:日額5,000円→月額約2,200円 / 日額10,000円→月額約4,100円(差額約1,900円/月)
※保険会社・商品によって異なります。あくまで目安です。
月額1,000円〜2,000円の差を「安心料」と見るか「もったいない」と見るかは、ご自身の価値観次第です。
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「日額5,000円+一時金特約」という折衷案
実は、日額を5,000円に抑えつつ「入院一時金特約」を付けるという方法もあります。入院したら日額に関係なく一括で5万〜10万円がもらえる特約です。
短期入院が増えている現在、「日額×入院日数」よりも「一時金でまとまった金額を受け取る」方が実用的だという声も増えています。日帰り入院でも一時金がもらえる商品なら、日額を高くするより使い勝手がいいかもしれません。
入院の短期化を踏まえた判断基準
近年の入院は短期化の傾向が続いています。平均入院日数は約15日で、10日以内の短期入院が全体の約半数を占めるというデータもあります。
入院が短期化しているということは、日額保障の重要度は相対的に下がっているとも言えます。それよりも、通院治療や先進医療、三大疾病の一時金といった保障の方が重要度が増しているかもしれません。
日額だけにこだわらず、トータルでの保障バランスを考えるのが賢い選び方です。公的保障との兼ね合いについては厚生労働省の高額療養費制度ページも参考にしてください。
まとめ:迷ったらこう選ぼう
ざっくりまとめると、以下の判断基準がおすすめです。
日額5,000円でOKな人:会社員で貯蓄がある、独身、保険料を抑えたい
日額10,000円にすべき人:自営業、貯蓄が少ない、個室希望、扶養家族あり
迷ったら:日額5,000円+入院一時金特約がバランス良し
正直なところ、ほとんどの会社員の方は日額5,000円で十分なケースが多いです。日額を上げるよりも、三大疾病一時金やがん保険で備える方が合理的な場合も多くあります。
保険料の差額シミュレーションは、各保険会社の公式サイトや生命保険文化センターの情報も参考にしてみてください。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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