「保険に入ってると年末調整で税金が戻ってくるらしいけど、実際いくら戻るの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。毎年11月頃になると気になるテーマです。
結論から言うと、生命保険料控除で戻ってくる金額は年間の保険料や年収によって異なりますが、多い人で1万〜2万円程度です。「思ったより少ない」と感じるかもしれませんが、何もしなければゼロなので、申告しないのはもったいないでしょう。
この記事では、生命保険料控除の仕組み、具体的な計算方法、年末調整での申告の手順を分かりやすく解説します。
🐧 ナビ助のおすすめ!
生命保険料控除の仕組みをザックリ理解
生命保険料控除とは、1年間に支払った保険料の一部を所得から差し引ける制度のことです。所得が減る → 課税対象額が減る → 税金が安くなる、という流れで節税効果が生まれます。
ポイントは「支払った保険料がそのまま戻ってくるわけではない」ということです。あくまで「所得控除」なので、戻ってくるのは保険料の一部に対する税金分になります。ここを誤解している方が非常に多いので、しっかり押さえておきましょう。

控除の3つのカテゴリー
生命保険料控除は、以下の3つのカテゴリーに分かれています。
1. 一般生命保険料控除
死亡保険(終身保険、定期保険、収入保障保険など)の保険料が対象です。
2. 介護医療保険料控除
医療保険、がん保険、介護保険などの保険料が対象です。2012年以降に契約した保険に適用されます。
3. 個人年金保険料控除
個人年金保険の保険料が対象です。ただし「個人年金保険料税制適格特約」が付いている契約に限られます。
それぞれ別枠で控除が受けられるので、3つのカテゴリーすべてに該当する保険に入っていれば、控除額を最大化できます。
控除額の計算方法(新制度:2012年以降の契約)
2012年1月1日以降に契約した保険は「新制度」が適用されます。各カテゴリーの所得税の控除額は以下の通りです。
所得税の控除額
- 年間保険料2万円以下:保険料の全額
- 年間保険料2万円超〜4万円以下:保険料×1/2+1万円
- 年間保険料4万円超〜8万円以下:保険料×1/4+2万円
- 年間保険料8万円超:一律4万円
各カテゴリーの上限が4万円なので、3カテゴリー合計で最大12万円の所得控除です。
住民税の控除額
- 年間保険料1.2万円以下:保険料の全額
- 年間保険料1.2万円超〜3.2万円以下:保険料×1/2+6,000円
- 年間保険料3.2万円超〜5.6万円以下:保険料×1/4+1.4万円
- 年間保険料5.6万円超:一律2.8万円
住民税は各カテゴリー上限2.8万円で、3カテゴリー合計で最大7万円の控除です。
具体的な計算例:実際いくら戻るの?
例1:医療保険のみ加入(年間保険料36,000円)の場合
介護医療保険料控除に該当します。
- 所得税の控除額:36,000円×1/4+20,000円=29,000円
- 住民税の控除額:36,000円×1/4+14,000円=23,000円
年収400万円(所得税率10%)の場合の節税額は以下の通りです。
- 所得税:29,000円×10%=2,900円
- 住民税:23,000円×10%=2,300円
- 合計:約5,200円の節税

例2:終身保険+医療保険+個人年金に加入(各年間保険料10万円以上)の場合
3カテゴリーすべてで上限に達するケースです。
- 所得税の控除額:4万円×3=12万円
- 住民税の控除額:2.8万円×3=8.4万円(上限7万円が適用)
年収600万円(所得税率20%)の場合の節税額は以下の通りです。
- 所得税:12万円×20%=24,000円
- 住民税:7万円×10%=7,000円
- 合計:約31,000円の節税
最大で年間3万円以上の節税になることもあります。これを10年、20年続けると、かなりの金額になるでしょう。
🐧 ナビ助のおすすめ!
旧制度(2011年以前の契約)の場合
2011年12月31日以前に契約した保険は「旧制度」が適用されます。旧制度には「介護医療保険料控除」がなく、「一般」と「個人年金」の2カテゴリーのみです。
旧制度の所得税の控除額
- 年間保険料2.5万円以下:保険料の全額
- 年間保険料2.5万円超〜5万円以下:保険料×1/2+1.25万円
- 年間保険料5万円超〜10万円以下:保険料×1/4+2.5万円
- 年間保険料10万円超:一律5万円
各カテゴリーの上限が5万円で、2カテゴリー合計で最大10万円です。カテゴリー数は少ないですが、1カテゴリーあたりの上限は新制度より高くなっています。
年末調整での申告手順
ステップ1:保険料控除証明書を確認する
毎年10月〜11月頃に、保険会社から「保険料控除証明書」が届きます。ハガキや封書で届くことが多いですが、最近はオンラインで電子データを取得できる保険会社も増えています。届かない場合は保険会社に連絡して再発行してもらいましょう。
ステップ2:申告書に記入する
会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に、以下の内容を記入します。
- 保険会社名
- 保険の種類
- 保険期間
- 契約者名・受取人名
- 新制度/旧制度の区分
- 年間保険料の金額
ステップ3:証明書を添付して提出
記入した申告書に保険料控除証明書を添付して、会社の担当部署に提出します。電子データで提出できる場合もあるので、会社の指示に従いましょう。

よくある疑問Q&A
Q:月払いの保険料が年間8万円に届かない場合、損してる?
A:控除額は年間8万円で上限に達しますが、8万円に届かなくても控除は受けられます。月5,000円(年間60,000円)の保険でも十分な控除が得られるので、心配不要です。
Q:控除のために保険に入るのはアリ?
A:おすすめしません。控除で戻ってくる金額は年間数千〜3万円程度です。節税のために不要な保険に年間10万円以上払うのは本末転倒でしょう。あくまで「保障が必要な保険に入った結果、控除も受けられる」という考え方が正解です。
Q:配偶者の保険料を自分が払っている場合は?
A:保険料を実際に支払っている人が控除を申告できます。妻の保険料を夫が払っていれば、夫の年末調整で控除が可能です。ただし、契約者が妻でも保険料の引き落とし口座が夫名義であることが条件になります。
Q:年末調整を忘れた場合は?
A:確定申告で還付を受けられます。翌年の1月1日から5年間は申告可能なので、忘れた年があっても諦めないでください。

まとめ:年末調整の保険料控除は「やらないと損」
保険の年末調整控除のポイントをまとめます。
- 3カテゴリー(一般・介護医療・個人年金)それぞれで控除が受けられる
- 新制度は各カテゴリー上限4万円、合計最大12万円の所得控除
- 実際に戻ってくる金額は年間5,000〜30,000円程度
- 10月〜11月に届く控除証明書は絶対に捨てない
- 年末調整を忘れても確定申告で取り戻せる
- 控除目的で不要な保険に入るのは本末転倒
手続きは面倒に感じるかもしれませんが、申告書に数行書くだけで数千円〜数万円の節税になります。やらない理由はないでしょう。
生命保険料控除の詳しい計算方法は、国税庁の生命保険料控除ページで確認できます。また、年末調整の手続き全般については、国税庁の年末調整ガイドが参考になります。控除証明書の見方が分からない場合は、生命保険文化センターのサイトもチェックしてみてください。
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
🐧 ナビ助のおすすめ!


