「外貨建て保険は利回りが高いと聞くけれど、為替リスクが怖い…」。こうした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
その感覚は非常に正しいです。外貨建て保険は確かに円建てより利回りが高いことが多いですが、為替の影響で得することも損することもあります。仕組みをしっかり理解しないまま加入すると、後悔するリスクが高い商品でもあります。
元保険外交員として外貨建て保険を扱ってきた経験から言うと、正直なところ人を選ぶ商品です。この記事では、メリットとデメリットを包み隠さず解説しますので、加入を検討する前にぜひ読んでおいてください。
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外貨建て保険とは?
外貨建て保険は、保険料の払い込みや保険金の受け取りを米ドルや豪ドルなどの外貨で行う生命保険です。日本円で払い込むこともできますが、内部的には外貨に換算されて運用されます。
海外の金利が日本より高いことを利用して、より高い利回りで運用できるのが外貨建て保険の仕組みです。記事執筆時点で日本の金利は上昇傾向にあるものの、アメリカの金利と比べるとまだ差があります。
主な通貨は米ドルと豪ドルです。米ドルが圧倒的に人気で、流通量が多い分、為替手数料も安い傾向にあります。

外貨建て保険のメリット4つ
メリット1:円建てより利回りが高い
これが最大のメリットです。たとえば、円建ての終身保険の予定利率が0.5%〜1%程度なのに対して、米ドル建てだと2%〜4%くらいの予定利率がつくこともあります。この差は長期で見ると大きなリターンの違いになります。
メリット2:通貨分散ができる
資産を日本円だけで持っていると、円の価値が下がったときにダメージを受けます。外貨建て保険で一部の資産を外貨で持っておけば、通貨分散によるリスクヘッジになります。
メリット3:円安になれば為替差益が出る
たとえば1ドル=130円のときに加入して、受け取るときに1ドル=160円になっていれば、為替差益で保険金が増えます。円安局面で外貨建て保険に入っていた方は、結果的に得をしたケースが多いです。
メリット4:生命保険料控除が使える
外貨建てでも生命保険であることに変わりはないため、生命保険料控除の対象になります。外貨預金には控除がないため、この点は外貨建て保険ならではのメリットです。
外貨建て保険のデメリット5つ
デメリット1:為替リスクがある
これが最大にして最も重要なデメリットです。円高になると、外貨ベースではプラスでも円に換算すると元本割れすることがあります。利回りが良くても為替で吹き飛ぶこともあるのです。
デメリット2:為替手数料がかかる
円から外貨に換えるとき、外貨から円に戻すとき、それぞれ為替手数料がかかります。保険会社によって異なりますが、片道0.25円〜1円くらいです。往復で考えると、これだけで0.3%〜1%くらいのコストがかかることもあります。
デメリット3:保険料が毎月変動する
円で払い込む場合、為替レートの変動によって毎月の保険料が変わります。円安が進むと保険料が上がるため、家計の見通しが立てにくくなります。
デメリット4:商品の仕組みが複雑
為替の仕組み、積立利率、市場価格調整、解約控除…理解すべき要素が多く、ちゃんと理解しないまま加入すると「こんなはずじゃなかった」という事態になりがちです。実際、外貨建て保険は苦情が多い保険商品の一つです。
デメリット5:途中解約で大損する可能性が高い
解約控除(ペナルティ)+為替リスクのダブルパンチで、途中解約すると大きく元本割れするリスクがあります。特に加入から10年以内の解約は要注意です。長期で持ち続ける前提で加入する必要があります。
外貨建て保険のトラブル事例
国民生活センターには、外貨建て保険に関する相談が毎年多く寄せられています。よくあるトラブルは以下の通りです。
- 「元本保証だと思っていたのに、元本割れした」
- 「為替リスクの説明を受けた記憶がない」
- 「銀行の窓口で預金のつもりが保険だった」
- 「解約したら、払った金額の7割しか戻ってこなかった」
特に高齢者が銀行の窓口で勧められて加入し、リスクを理解しないままトラブルになるケースが目立ちます。金融庁も問題視しており、販売時の説明義務が強化されてきています。

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外貨建て保険が向いている人・向いていない人
向いている人
- 為替リスクを理解・許容できる方
- 15年〜20年以上の長期で運用できる方
- 円以外の通貨で資産を持ちたい方
- 海外旅行や海外移住の予定があり、外貨のまま使う機会がある方
- 他の資産(円建て預金、投資信託など)と組み合わせてポートフォリオを組める方
向いていない人
- 為替リスクが怖い、元本割れが絶対にイヤな方
- 月々の保険料が変動するとストレスを感じる方
- 保険の仕組みを理解するのが面倒な方
- 短期〜中期で解約する可能性がある方
- 老後の生活費など、確実にもらえる金額が決まっていてほしい方
外貨建て保険 vs 外貨預金 vs 外貨建てMMF
「外貨で資産を持ちたいなら、外貨預金や外貨建てMMFでもいいのでは?」という疑問もあるかもしれません。それはごもっともな意見です。
外貨預金は仕組みがシンプルで、いつでも解約(引き出し)できます。外貨建てMMFは投資信託の一種で、流動性が高いです。どちらも外貨建て保険より手数料が安くて柔軟性が高いという特徴があります。
外貨建て保険が有利なのは「死亡保障がセットでついてくる」「生命保険料控除が使える」の2点です。この2つに価値を感じるかどうかで判断しましょう。

まとめ:外貨建て保険は「理解してから」入る保険
外貨建て保険は、為替リスクを正しく理解した上で、長期目線で加入するなら悪い商品ではありません。しかし、リスクを理解せずになんとなく入るのは絶対に避けましょう。
加入を検討しているなら、まずは生命保険協会の公式サイトで外貨建て保険の注意点をチェックしておきましょう。また、国民生活センターにはトラブル事例も掲載されていますので、事前に目を通しておくと安心です。
「よくわからないけど利回りが高いから」という理由だけで入ると後悔する可能性が高い保険ですので、しっかり勉強してから判断してください。迷ったら、日本FP協会経由でFPに相談するのもおすすめです。
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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